御坊市外五ヶ町病院経営事務組合の議会定例会が30日、ひだか病院で開かれ、2019年度同病院事業会計決算を認定した。

 決算は事業の収益67億9076万1740円に対し、費用73億2793万250円の支出で、差し引き5億3716万8510円の赤字。赤字は昨年度決算の計上額4億4692万1742円と比べて9024万6768円増加した。

 医業収益は全体で58億5910万8505円で、前年度比1億5189億3572円の減収。入院患者が昨年度実績8701人の増から一転して1611人の減、外来患者も699人の減から約3倍の2073人の減となった。

 執行部は「2019年度末の(今年)2月に県内で発生した新型コロナウイルスの影響で、外来患者数は2、3の2カ月間で前年度と比べて1647人の減少となり、病院稼働率は月平均で8%のダウンとなったが、前年度決算の赤字額からみると昨年度は約9000万円の赤字増にとどまっている」と説明。「地域医療構想による病床数の削減、病床機能転換、医療保険改正による診療報酬の削減、消費税増税、地域の人口減、その中で不採算部門とされる診療科を担いながら対応しなければならない自治体病院の経営は非常に厳しい現況だが、高度医療を維持しつつ、常に地域住民の安心安全な医療を考え、最新の医療機器導入、病棟改修事業、また、優秀な医師やコメディカルスタッフの獲得に関し、今後も経営状況をしっかり把握しながら積極的に取り組んでいく」とした。

 このほか、執行部は新型コロナウイルス対策のため確保していた病床について、県から空床確保料5億2434万円の支払いがあると報告。「空床確保料は2階病棟52床を運営していれば当然あった医業収益であり、赤字補填ではない。引き続き、この状況は変わらないと推測し、国や県の動向をしっかり踏まえ、空床確保の継続、管理運営に努力します」とした。