障害を知り、共に生きる―― 最近、印南町社会福祉協議会が「あいサポート運動」の普及に本腰を入れて取り組んでおり、このフレーズをよく記事で書いている。

 あいサポート運動は2009年11月、鳥取県を発祥にスタートした取り組み。さまざまな障害の特性、障害のある人が困っていることや必要としている配慮などを理解して、障害のある人が暮らしやすい地域社会をつくる運動。和歌山県では16年、鳥取県と協定を締結して各地での運動を推進。今年3月末現在、自治体やNPO法人、障害者施設など32団体があいサポート企業・団体となっているが、まだあまり普及しているとは言えない。日高地方でも御坊市のNPO法人ワークス・アールブリュット推進協議会、特定非営利活動法人日高総合型クラブ、由良町、そして印南町社会福祉協議会の4団体だけで、今後、運動の輪が広がっていくことが期待される。

 そんな中、印南町では先日、切目中学校であいサポート研修が行われ、2年生17人が障害の種類や特性、対応の仕方などについて学び、あいさつや自己紹介などの手話も体験した。生徒の一人に話を聞いたところ、「障害を持つ人が困っている場面を見つけたら手助けしたいです」と話していたのが印象的。子どもたちは本当に素直。障害を正しく理解して対応の仕方を教えてもらえれば、そのように行動しようと思ってくれる。それが、もし知らなかったら、なかなか自ら行動するのは難しい。やはり、まず知ることが大切だとあらためて感じる。コロナ禍でソーシャルディスタンスが言われているが、心は寄り添い共に生きる社会になることを願う。(吉)