全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部会議が26日、ウェブ会議形式で行われ、33都道府県の知事が参加した。仁坂吉伸知事はコロナ感染予防と経済再生を両立させる必要性を強調し、「できるだけ感染者を隔離して感染が拡大しないようにしながら、経済はある程度自由にしていくということが一番大事」と訴えた。

 仁坂知事は「ベストミックスやウィズコロナの言葉のように、いまやコロナ感染症の防止と経済再生の両立が大事だと、だいたいの人が分かってきたと思う」とし、「ただ、政策手段が『行動の制約』の一つだけでは、なかなか両立は難しい。行動を制約し過ぎると、緊急事態宣言下のように経済が落ち込み、緩めると再び感染が拡大する」と説明。「わが国固有の立派な感染症法と保健医療行政で一生懸命頑張って、そして経済の再生には例えば『Go To キャンペーン』、もっと言えば『規制を厳しくしない頑張り』が必要かとも思う」と述べ、「国の専門家たちは経済の専門家の人も入れているのに、なぜこういうことを言わないのか疑問。現場で感染症法と保健所などが闘っている現状を分かっていないのではないか」と厳しく指摘。「そういうことを厚生労働省の方々が指導、情報提供し、立派なベストミックスの政策をしていただきたい」と求めた。

 知事会ではコロナに対する国への緊急提言もまとめた。政府が10月から、原則全世界を対象に入国制限を緩和する方針を決めたことについては、空港でのPCR検査強化を求め、一方で観光支援の「Go To キャンペーン」の継続などで、地域経済回復との両立を要望。このほか、季節性インフルエンザとの同時流行に備えた医療提供体制の確保や、医療機関の経営支援なども求めた。

写真=ウェブ会議でパソコンを前に発言する仁坂知事