美浜町が進めている新浜集会場新築工事のため、7月から始まった吉原遺跡の発掘調査の現場を2日、松原小学校の6年生25人が見学した。

 調査は保安林の松を伐採した用地で県文化財センターの田之上裕子技師が中心となって、建物が建てられる用地西側を30㌢ほど掘り下げ、遺構(人間が生活していた痕跡)や遺物がないか調べている。

 児童は、作業員が松の根や砂を取り除きながら作業を進める現場を見学。田之上技師は作業に使う道具を見せ、掘り下げた断面で地層の色が変わっている部分を示し、「30㌢下には2000年以上前の人が生活していた地面があり、その痕跡を見つけます」と話した。

 これまで出土した一部の土器も公開し、弥生時代のつぼやかめの欠片には波型など模様があることを紹介。古墳時代、大和朝廷の管理のもと製造されていた須恵器というつぼは、「墓地にお供えとして置かれたものと考えられます」と説明した。児童は、土器の欠片などを触ったり、見つめたりして、興味津々だった。

 杉本姫寿奈さんは「土器はザラザラしていて、石みたいだった。昔の美浜町の人の暮らしの様子が分かるってすごい」と話していた。

 3日は和田小6年生の見学、12日は住民説明会が予定されている。

写真=遺跡発掘調査現場を見学する児童