レジ袋の有料化が今年7月からスタートして、まもなく2カ月が経つ。レジ袋を控えるようになり、主婦らからはゴミ袋に困っているとの声が聞かれていたのもつかの間、ごみ袋用に市販のビニール袋を購入する人が増えているという。スーパーなどで魚や肉を入れる透明のビニール袋も「生ごみを入れるのにちょうどいい」と持ち帰る人が増えているとも聞く。レジ袋などプラスチック製品が海洋環境や海洋生物にも影響を及ぼしていることや、地球温暖化にもつながるからと、有料化することで国民が考えるきっかけにしようと始まった制度だが、これではあまり効果はないように感じる。

 大手ファッションメーカーのH&MやGU、ユニクロなど、ビニールの買い物袋をやめ、有料の紙袋に替える企業が増えている。スターバックスは紙製のストローにするという。抜本的な解決方法だと思う。コスト面など難しい面もあるだろうが、プラスチック製品が環境に悪影響を与えているというなら、考えるきっかけを与えるよりも、根本的な解決を目指すのが国の責任ではないか。レジ袋を紙袋に替える、もしくは環境に害を与えないビニール袋の普及を目指していくべきでは。

 紙の材料の一つは木材。和歌山県は木の国といわれるほど面積の7割は森林だ。今、その山は手入れされず荒れ放題となっているのが大きな課題。山の荒廃は保水力を低下させ、豪雨等の災害被害を大きくすることも懸念されている。県を挙げて山を守る取り組みを進め、間伐材を紙製品の材料として活用できないか。木の国を守りながら、紙袋の先進県として国をリードしてはどうだろう。実効性のある施策こそが住民の意識を変える。(片)