御坊市消防本部は26日、野口の防災センターで、大地震によるビル倒壊を想定した救出救護訓練を行った。

 本田敏文消防長以下職員44人が参加し、車両7台が出動。大地震で倒壊したビルに多数の要救助者が取り残されていると想定し、捜索や狭い空間での救助活動を行った。

 重機による作業ができないなか、がれき内に進入路を探し、要救助者を捜索。削岩機で開口部を作り、隊員がはって進入した。要救助者を見つけ、狭い隙間から救出。救急隊がトリアージや応急処置を行った。

 無線から声が飛び交い、慌ただしく緊迫した状況の下、隊や隊員同士で情報を共有しながら迅速な活動を展開。捜索時には「誰かいますかー」、要救助者には「頑張ってくださーい」と大きな声を張り上げ、汗を流していた。

 毎年の夏季訓練で9月1日の防災の日に合わせ、発生が予想されている巨大地震に伴う災害に備えるため、指揮隊運営、救助技術の向上や各隊の連携強化を図る目的で実施。本田消防長は「この訓練の成果を今後の活動に生かすとともに、組織の大規模災害対応力向上へ評価・検証してほしい。事の備えに対しての危機感をより一層深め持つことが我々の使命。協調性ある一致団結した消防防災体制を築き、市民の皆さんの安全・安心に対する期待に応えられるようお願いします」と講評した。

写真=隙間から要救助者(人形)を助け出す隊員