全国的に新型コロナウイルス感染が再拡大するなか、日高地方の小中学校は修学旅行の行き先に苦慮している。いまのところ小中学校とも県内を中心に考えられており、大半は具体的な日程、行き先がまだ決まっていないが、各校とも「学校生活の思い出づくりに」と、中止せず実施する方向で検討が進んでいる。

 例年、日高地方のほとんどの小学校は秋に奈良、京都、大阪方面に出かけ、中学校は5月に東京など関東方面を行き先としていたが、今年は首都圏や大阪などの都市部でコロナ感染症が拡大。行き先を変更しなければならない状況となっている。行き先としては、県境をまたがない県内のほか、都会を避けて感染リスクが少ない地方の県を候補としている学校もある。

 各市町の教育委員会などによると、御坊市の小学校は1泊2日で行き先は紀南地方とする予定で、早い学校は9月末に実施する。中学校はまだ行き先などは決まっていないが、11月ごろをめどに検討しているという。

 美浜町、日高川町、印南町、由良町は小中学校とも県内を中心に検討中。日高町は小学校を県内とする方針だが、中学校はコロナの発生が少ない山陰方面も選択肢に入れているという。

 みなべ町は、高城小と清川小の合同修学旅行を9月中旬に紀南方面への1泊2日で実施する予定。中学校の一部は県内のほか、淡路島方面なども視野に入れているという。コロナ感染防止対策としては、交通手段として使用するバスの台数を増やし、密を避けることなどが検討されている。