災害時の避難所運営スタッフが多言語支援センターと連携して外国人被災者を受け入れる訓練が17日、和歌山市と御坊市で開かれた。御坊市会場では沿岸部の御坊市や由良町の職員が避難所スタッフとして参加し、ベトナム、カンボジアなどの外国人被災者に対応。言葉が通じない場合はビデオ会議システムによる遠隔通訳を依頼し、外国人が安心して避難生活に入れるようニーズを聞き取った。
災害時の多言語支援は和歌山市手平の和歌山ビッグ愛8階にある県国際交流センターが拠点となり、県内各地の避難所の外国人避難者の受け入れ等をサポート。今回の訓練は交流センターを運営する県国際交流協会が近畿地域国際化協会連絡協議会との共催で、ビッグ愛8階の交流センターに多言語支援センターを立ち上げ、同1階と御坊市中央公民館に開設された避難所をオンラインで結んで外国人の受け入れをシミュレーションした。
御坊市会場では、農業技能実習生のベトナム人女性2人、和歌山高専留学生のカンボジア人男性1人とウガンダ人男性1人が外国人被災者となり、御坊市と由良町、田辺市、日高振興局の職員が避難所スタッフとして参加。避難所を意味する「みんなが逃げるところ」などやさしい日本語やスマホの翻訳アプリを駆使し、ジェスチャーもまじえて避難所のルールや感染症予防対策を説明した。
日本語がほとんどできないベトナム人、ウガンダ人の対応では、多言語支援センターにビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」でベトナム語と英語の遠隔通訳を依頼。けがや体調不良、持病の有無などを確認し、避難所での生活に不安や分からないことがないかも聞き取った。
田辺市教育委員会の澤本将太さん(26)は「スタッフが英語を話せたとしても、中国語や韓国語はできない場合もあり、こうしてズームでいろんな言語に対応してくれるのはありがたい」といい、ウガンダからの和高専留学生イラド・トフィルさん(22)は「私はいま寮に住んでいますが、出先で災害が起きたときは、どこに避難したらいいのか分からないのが不安です。避難所でこうして遠隔通訳してもらえるのは助かります」。
国際交流協会の木村恵子さんは「外国語が話せて、対面ではコミュニケーションができても、画面上でやりとりする遠隔通訳になると難しい部分も出てきます。通訳者がいない言語を他府県のセンターの通訳者が対応するなど、オンラインのメリットを生かせるよう今後も訓練を続けていきたい」と話している。
写真=ズームの遠隔通訳で避難所スタッフとやり取りするベトナム人女性㊧


