美浜町和田、陸上自衛隊和歌山駐屯地(荒木憲司令)に3日、神奈川県横須賀市にある陸上自衛隊高等工科学校へ進んだ県内出身の生徒3人が訪れ、荒木司令に近況を報告した。

 陸上自衛隊高等工科学校は、武山駐屯地内にある全寮制の男子校で、普通科高校の一般教育に加え、電子機械工学や情報工学の専門教育、陸上自衛官の心得や戦闘、戦技訓練などの防衛基礎学を3年間で習得。陸上自衛官となる人を養成、教育する国内唯一の高校となっている。

 規律正しい集団生活で、カリキュラムも多く、体力も必要だが、在学中は特別職国家公務員となり、月額10万円前後の手当と年2回の期末手当が支給される。卒業後は陸曹候補生課程を経て、各部隊に配属されるほか、防衛大学校や航空学生等の道もある。荒木司令も卒業生の一人。

 この日訪れたのは、昨年の同駐屯地の夏まつり「サマーフェスタ」にも参加した3年生の湯川遥翔君(17)=みなべ町=、今年4月に入校した本地亜樹君(16)=広川町=、奥野竜士君(16)=海南市=。本地君、奥野君は受験前に、学校の様子や寮生活の話などを荒木司令から聞き、入校の相談をしていた。

 荒木司令はふるさとを離れ、コロナ禍で異例続きの学校生活を送る3人をねぎらい「地元の友達をみて、楽しそうと思うかもしれないし、(同校に)行ってよかったかどうかは卒業しないとわからない。私は今になってよかったと思っている。卒業後は立派な公務員。頑張る価値がある」と激励した。 

 冬休み以来の帰省になった湯川君は「最高学年になり、銃を扱う訓練も増えた。卒業後のことも荒木司令に相談したい。休み中は友達と食事に行ければ」。吹奏楽部に入部しテナーサックスを担当する本地君は「学校や寮生活にも慣れてきた。吹奏楽は楽な部活と思われているので、体を鍛えて次の体力検定で最高の1級を取りたい」。ラグビー部で右ウイングとして活躍する奥野君は「体力には自信があるが、勉強は眠くなるので大変。学校はみんな個性的で面白い。久しぶりに自宅で食べたごはんがおいしかった」と話していた。

写真=荒木司令(右から2人目)に近況報告する左から本地君、奥野君、湯川君