「YOUは何しに日本へ?」というテレビ東京系の人気番組がある。空港で到着したばかりの外国人旅行者に声をかけ、日本へ来た目的が面白そうなら、密着ロケをさせてもらう。もう何年も続いているが、最近、その面白さを知った。

 カメラクルーとディレクターがロビーで待ち伏せ、面白そうな外国人がいればすかさず声をかけ、どこの国から何をしに日本へ来たのかを聞く。なんとも安直な企画で、あまり見る気はしなかったが、じっくり見れば素晴らしい人間ドキュメンタリーで、感動することも少なくない。

 何よりも、日本人にはない陽気さが気持ちいい。実際はどうか分からないが、ほとんどの人が「オーケー」「オフコース!」と笑顔で取材に応じ、自分は何をしにやってきたのか、自分がどれほど日本という国に興味があるかを熱く語る。それがうれしい。

 日本の地ビールを飲み歩くために訪れたカナダ人、日本の刀鍛冶の工房を見たいアメリカ人、大相撲の琴奨菊を応援したいアメリカ人兄弟、探偵ナイトスクープの公開録画を見たいドイツ人カップルなど。それぞれの思い入れは「オタク」のレベルを超え、抑えきれない衝動が伝わる。

 歴史、文化、人の心の温かさ、誠実さ、食べ物のおいしさ、治安のよさ、医療・福祉…日本はどれをとっても世界一だと思うが、残念ながらよくいわれるように、その日本の素晴らしさを最も理解していないのが日本人ではないか。

 日高地方にもALTや留学生、労働者など多くの外国人がいる。来月から、この地で生活している外国人を紹介するコーナーを始めることになった。英会話のトレーニングも兼ねて、日高地方の素晴らしさを共感、再認識させてくれるYOUに出会いたい。(静)