JA紀州は、今年の南高梅の出荷状況をまとめた。出荷量は1335㌧で、データが残っている1989年(平成元年)以降最も少なくなった。暖冬で満開期が例年より非常に早かったことや、満開後の低温と雨で受粉に影響を与えるミツバチの活動が弱かったこと、収穫前の少雨で果実肥大が思うように進まなかったことなど悪条件が重なり、まれにみる大凶作となった。

 主力品種である南高梅の青梅の荷受けは5月24日から始まり、7月1日まで行われた。JA紀州みなべいなみ梅部会は市場出荷量の目標を2700㌧に設定していたが、半数にとどまった。

 気象条件が不作に大きな影響を与えた。過去にない暖冬となり、特に1月の平均気温が8・9度と平年の6・4度に比べて非常に高くなったことから1月30日には海岸線で満開。例年に比べて3週間も早い満開となり、実を付けるめしべが未熟傾向となったのが一つの要因とみられている。さらに満開後の気象条件も悪かった。本来ならミツバチが活発に活動して受粉が進む時期だが、低温と雨のため活動自体がにぶく、期間も短ったことが着果が少なくなった大きな原因となった。

 数は少なくても実の肥大が進めば全体の収量は増えるため、肥大に大きな影響を与える雨が期待されたが、3月からの積算雨量は出荷ピーク時期の6月9日時点で平年の58%とデータが残る平成2005年以降で最少の降水量。実が少ない分平年に比べて実は大きかったものの、期待したほどの肥大は実現せず、収量に大きく影響した。

 販売面では新型コロナウイルスの影響で梅愛隊を中心とする漬け梅講習会や店頭販売が自粛となり、動画配信で消費拡大に取り組んだ。ただ、凶作のため十分な供給ができなかった。JA紀州では「生協などの契約した数量はなんとか無事に納めることができた。不作の中でも出荷に協力いただいた生産者の皆さんに感謝しています」と話している。