御坊市議会6月定例会は30日、一般質問が行われ、三浦源吾市長は計画を進めている新庁舎建設について、あらためて経緯を尊重し、計画通り進めていく考えを示した。松屋久紀、宮路雅仁両議員が新型コロナウイルスの経済への影響や巨額の財政支出に対する市民の不安を強調。三浦市長は早期建設の重要性を説きながら、住民サービスの低下を招かない予算執行を約束した。

 新庁舎の基本設計は鉄筋コンクリート5階建て、高さ約30㍍、延べ床面積7177平方㍍(本体6733平方㍍)。総事業費は約53億円で、現在、実施設計・施工の業者選定を行っており、来年9月に着工、2023年7月末の完成、10月の供用開始を目指している。

 松屋議員は、新庁舎建設計画の進め方や市民サービスへの影響、見直しについて質問。三浦市長は「新庁舎は市民の一時避難場所となる建物。一刻も早く建て替えなければならず、現段階で建設の場所、内容、スケジュールを見直す考えはない。一方で多大な財政負担は承知している。市民サービスを低下させることのないよう、有利な起債を活用して、真に必要な予算配分を行っていく」と答えた。

 宮路議員に対しても現庁舎の老朽化や耐震性を説明。「災害による犠牲者ゼロを目指し、市民の生命と財産を守るため、防災対策の拠点として一時避難場所を備えた新庁舎は一刻も早い建設が急務」とし、市民懇話会や特別委員会、パブリックコメントの結果、経緯を尊重したうえで「スケジュール通り進めていく。有利な起債や補助事業を活用したい」と強調。宮路議員は庁舎周辺の液状化対策が計画に入っていないことを指摘し、「防災センター」の整備を提案した。

 この日の午前中は計6議員が登壇。松本隆史、村上宗隆の両議員は三浦市長の所信表明について、芝田学、小池佐左夫の両議員は新型コロナ感染症の対応や対策についてただした。

写真=松屋議員の質問に答える三浦市長