日本一の梅の産地、みなべ町ではブランドの南高梅の収穫も終盤。今年は非常に収量が少なく、生産者からは「例年の半分」「半分もいかない」との悲鳴が聞かれている。今年に限っては、近年大きな課題となっている収穫時期の人手不足の話題もなりをひそめるほどだ。しかし、生産者の高齢化や後継者不足という現実の中、将来的なことを考えるとやはり労働力確保は検討すべき大きな問題。解消に向けて若手を中心に取り組みも始まっている。
先日、JA青年部の労働力交流を取材した。県農協青年部協議会長を務める西岩代の中早大輔さんが中心となって進めている事業で、ミカンの産地である海南市のJAながみねの青年部員と互いに収穫を手伝う取り組み。昨年から試験的にスタートし、今年は新型コロナウイルスの影響で組織的な交流は中止したが、個人的なつながりでミカン農家の青年が中早さん宅で3日間泊まり込みして梅の収穫を手伝った。ミカンの収穫時期にはこちらから手伝いに行く。単なる手伝いではなく、互いに同程度の時給を設定したアルバイトにしており、少なからず閑散期の小遣いにもなる。
今後はミカンの他の産地や、柿農家にも輪を広げていくという。少子高齢化に伴い、農業者の高齢化と後継者不足は和歌山だけでなく全国的に大きな課題だ。将来的には県境を越えた交流も出来るだろう。大きな可能性を秘めた取り組みであり、今後発展していくことが期待される。いいものを作って消費者に喜んでもらうだけではなく、産地全体を守っていくための取り組み。これからの農業に求められているということだろう。行政はこのような取り組みをしっかり応援すべきだ。(片)


