新型コロナウイルスの第2波に備えようと、県は15日、県民を対象とした抗体検査を独自にスタートさせた。県内の感染者は16日現在、63人が確認されているが、それ以外にも感染したことがある人がいるのかどうかを調べ、実際の感染規模を把握。県内3カ所の指定病院(非公表)で採血時に同意を得た人から3000人のサンプルを集め、来月上旬に結果をまとめる。

 抗体検査は、ウイルスに感染したあとにつくられる「抗体」と呼ばれるたんぱく質が血液中に含まれるかどうかを調べる。新型コロナウイルスの場合、感染しても咳や熱などの症状がなく、本人が知らないうちに感染、治癒しているケースもある。厚生労働省は今月から、実際の感染規模を把握しようと、大阪、東京、宮城の3都府県で抗体検査を実施。民間ではソフトバンクグループやプロ野球チームの巨人なども抗体検査を行っている。

 和歌山県では今年2月13日、湯浅町の済生会有田病院勤務の医師に陽性が判明して以降、同病院を含め3回のクラスターが発生したが、一定の抑え込みに成功し、5月12日に63人目の感染が確認されて以降、新たな感染者は出ていない。県健康推進課では「依然、東京では感染者が出ており、和歌山県でもいつ第2波がくるか分からない。県内での発生状況が落ち着いているいまこそ、スピード感を持って抗体検査をする必要がある。3000人分の検査結果が集まれば、統計学的に県内の感染規模が把握できる」と話している。

 抗体検査は県内北部、中部、南部でそれぞれ1つの病院を指定。外来診療に訪れて採血した人を対象に、同意が得られれば抗体検査を行う。確認されていない感染者数をつかむことで、第2波に備えた今後の医療体制を考える参考とするのが目的となっており、原則、抗体検査の結果は本人に伝えない。専門家によると、通常、抗体があればそのウイルスの感染や重症化を防ぐが、コロナの場合、感染を防げるかどうかは分かっていないという。