ひだか病院を管理する御坊市外五ケ町病院経営事務組合は、新型コロナウイルスの影響により外来患者、入院稼働率が激減、今月末に資金ショートする可能性があるとして、5市町から支払われる予定の交付税分の前倒しを求めるとともに、5市町に計3億円の特別補正を要請した。12日に開かれた御坊市議会全員協議会で執行部が報告。各市町は6月議会でそれぞれの特別補正の分担金を計上する。

 ひだか病院は新型コロナウイルスの影響により外来、入院の両収益が激減。外来患者数は3月が1万2451人(前年同月比94%)、4月が1万1495人(同86%)、5月が1万350人(同80%)。入院稼働率は3月が75・7%(前年同月比3㌽減)、4月が65・6%(同13・1㌽減)、5月が60・3%(同14・2㌽減)。

 4月分の外来、入院収益は、昨年前月比と比較して約5000万円減少し、その他の医業収益も減収。組合では、このままでは今月末にも資金ショートの可能性があるとして、5市町に交付税のひだか病院振り込み分の前倒しを要請。交付税は通常9月末と翌年1~3月末に5市町から支払われるが、各市町は今月末までに振り込むため専決処分で対応。金額は合計5億51000万円、御坊市は2億3900万円となっている。

 さらに交付税の前倒しを受けても、今後も新型コロナウイルスの影響を受け続け、国からの緊急対策補正がなければ12月末に再び資金ショートの可能性があるとして、5市町に6カ月分の減収見込み額3億円の特別補正を要請。分担金は御坊市が1億1931万円(39・77%)、日高川町が4545万円(15・15%)、印南町が3696万円(12・32%)、美浜町が3582万円(11・94%)、日高町が3507万円(11・69%)、由良町が2739万円(9・13%)となっている。

 国からの緊急対策補正では、コロナ患者を受け入れる病院の空き病床などに応じて補助される方針だが、同院にどの程度の金額が入ってくるかは未定となっている。

写真=新型コロナの影響により経営的に陥ったひだか病院