新型コロナウイルスの緊急経済対策として国民1人当たり現金10万円が支給される特別定額給付金。日高地方では29日現在で7市町対象者の約6割、4万5604人に10万円が届けられた。コロナ禍も全国的に終息に向かっていると伝えられ、県内では週明け1日から全業種での休業要請が解除と決まっている状況。当地方だけですでに45億円以上の巨額が直接、住民の〝懐〟に入ったことから、景気回復への期待の声も上がり始めている。

 日高地方では今月8日の印南町を皮切りに、主に口座振り込みで給付がスタート。7市町の対象者は7万3849人で、29日までに61・8%の4万5604人に給付が完了した。給付額は総額45憶6040万円。

 市町別の給付済み人数は、御坊市1万1921人(対象者2万2918人、給付済み52・0%)、由良町4416人(5601人、78・8%)、日高町4410人(7911人、55・7%)、美浜町3146人(7042人、44・7%)、日高川町7388人(9764人、75・7%)、印南町7786人(8179人、95・2%)、みなべ町6537人(1万2434人、52・6%)。辞退者は計5人おり、各自治体で再度意向を確認したが、受け取らないとの回答だったという。

 給付に際しては、本人確認書類、通帳(口座番号が書かれた部分)のコピーの貼付漏れなどがあったが、大きなトラブルはなく、スムーズに作業が進んでいるという。今後、各市町では6月上旬にも多くの口座振り込みを予定している。

 「10万円」についての街の反応はさまざま。すでに手にした人たちは「自動車税を支払った後は、町内のお店でテイクアウトを利用したり雑貨を買ったりしたい」(美浜町の30代パート女性)、「家族5人分もらえるのを見越し、先に10万円以上するテレビを買いました。あと、車のホイール、キャンプ用品などの購入を迷っていますが、子どもの将来のために貯金もしたいと思います」(御坊市の40代サラリーマン)、「初めて女の子の孫が生まれるのでお祝いにおいています。あとは子どもや他の孫のために使ってあげたいし、コロナ終息後に旅行へも行きたいです」(日高川町の60代無職女性)などと消費意欲もある様子。一方、事業者側からは「パーッと外食するような気になってもらって、お客さんがどっと来てくれたらうれしい」(美浜町の40代居酒屋店長)、「外出自粛のストレス発散に家族で外食してもらえたら。最近、少しずつ予約が入りだしているのも『10万円』のおかげでしょうか」(御坊市の40代居酒屋店長)、「10万円が入ったところで、やはり不安の方が大きいです。周囲でもみんな貯金するって言いますし、まちが潤うような期待はありません」(御坊市の40代飲食店経営者)、「これまで本当に大変だったので、景気の回復に期待したいです。お店の感染対策もしっかりとやっていますが、正直不安なところもあります」(御坊市の30代焼き肉店関係者)などと、期待と不安が入り交じる声が聞かれた。