みなべ町の若手農業者でつくる4Hクラブ「みなべ梅郷クラブ」は今年度から、耕作放棄地の伐採作業を請け負う活動を本格スタートさせる。主に梅園での伐採で、県内でも発生が確認されたクビアカツヤカミキリなど病害虫の侵入防止や鳥獣害対策、世界農業遺産の景観維持などの目的があり、産地を守る先進的な取り組み。今月末まで希望者を募っており、今後は他団体との連携も強化していく。
日本一の梅の産地みなべ町でも近年は生産者の高齢化や後継者不足から耕作放棄地が少しずつ増えている。荒れたまま放置すれば、病害虫や鳥獣のすみかとなって近隣の園地に悪影響を及ぼす可能性も懸念されている。
梅郷クラブでは今後も放棄地の増加が懸念されることからメンバーから「何か取り組みができないか」との声が上がり、昨秋には耕作放棄地の現状や有償での梅の木の伐採作業の需要がどれだけあるかを把握するため、アンケート用紙を全戸配布して調査を実施。耕作放棄地の伐採をしていない人の割合が多く、理由は「労働力がない」など切りたくても切れない現状が浮かび上がった。「山に戻してもいい」という声や、有償でも依頼したいという人も多かったため、昨年度中に計6反(60㌃)の耕作放棄地で伐採作業を試験的に実施。必要な人数、時間、請け負った場合の時給などを検証し、今年度から本格的に始めることにした。
伐採は梅の木が主で、1反(10㌃)当たり4万円。伐採した枝などはある程度小さく切って園地内に残し、その後の処理は園主にお願いする。伐採した園では、周辺の環境や園主の意向も聞いたうえでウバメガシの植栽も行っていきたい考え。ウバメガシはみなべ町の主要産業である紀州備長炭の原木の一つ。近年は原木不足も問題となっており、地域の産業を守るため、補助金等を活用して植栽に積極的に取り組みたいとしている。
梅の収穫時期が終わってから現地確認し、秋ごろから作業を行う計画。問い合わせは多く、すでに数件の依頼があるという。伐採担当の山本宗一郎さんは「放棄地は今後も増えていくことが予想され、産地を守っていくためにできることをやりたい。自分たちだけではできないこともあると思うので、他団体とも協力していきたい」と話した。
申し込みは近くの公民館か役場産業課へ提出すればよい。詳しくは山本さん℡090―7880―7721。
写真=昨年度は試験的に伐採作業を行った


