昨年4月にZOZOの前澤友作社長(当時)の100万円100人プレゼント企画に当選し、ギターを手に世界一周の旅に出た日高川町初湯川の森大幸さん(26)が同年11月に帰国。先日、旅の様子を取材した。
旅は「音楽で世界をつなげたい」とロシアのウラジオストクを出発。西進し、北欧やトルコなどを周り、スペインでは聖地巡礼の800㌔を歩いた。当初は世界一周を目指していたが、旅はスペインを最後に終わった。旅を続ける中で、自分は本当に人の役に立っているのかを考えるようになり、「社会の中で仕事して人の役に立つことこそがすばらしい」との結論に至り、終わらせることになった。
取材の中で、印象的だったのは一人旅で感じる寂しさや虚しさ。ブログで公開されている旅の様子では、現地の人と楽しそうに笑顔の森さんが写っているが、人との交流は一時だけで、ほとんどが一人の時間となる。またロシアのクラスノヤルスク日本人慰霊碑やポーランドのアウシュビッツ強制収容所など、戦争の悲惨さを物語る施設で「人は生きているだけですばらしい」ということを実感した。
「音楽で世界のみんなを笑顔に」と、飛び出した旅は方向が変わったが、大きな収穫となっただろう。「社会の一員として人のために働く」ということは、社会に出ている人にとっては当たり前ともいえるが、その本質を理解できているのかは疑問だ。森さんは長い旅の中、ぎりぎりの生活をしながらも人との出会いのうれしさ、孤独の寂しさなどを感じる中で、本当の意味で生きる意味や働く意味を見いだし、人として成長した。現在の仕事では「子どもたちに夢を与えたい」と意気込んでいる。これからの社会人としての活躍に期待したい。(城)


