新型コロナウイルスに生活を左右されるようになってから、もうどれほど過ぎただろうか。子どもたちばかりか大人たちも、できる限り家で過ごすことを余儀なくされる事態を迎えている◆俳優で歌手の星野源による動画「うちで踊ろう」のコラボ企画が大きな反響を呼んでいる。いろんな方面からのリアクションが話題となっているが、多くの人がネットでつながり合える今の時代、クリエイティブな活動の広がりに大がかりな仕掛けや広い場所は必ずしも必要ないと証明したように思う。アイデアと工夫で十分インドアライフを充実させることができる◆インドアの趣味の最たるものといっていいのが読書。家の中で長時間過ごすのは、「大作」に取り組める千載一遇のチャンスだ。山岡荘八の「織田信長」全5巻、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」全8巻など、ただ目で活字を追うだけで、心は遥か激動の幕末へも、戦国時代へも、古代へも飛んでいける。海外ものもいい。厳格な医師の家庭で育った兄弟を中心に第一次世界大戦下のフランスを描く「チボー家の人々」、南北戦争下のアメリカ南部で激しく生きる女性スカーレットを描く「風と共に去りぬ」。大河小説と呼ばれるジャンルは特に、じっくり読み込むことで一人の人間の波乱の生涯を追体験できる◆さらに、日本には海外に誇るべき優れた文化であるコミックがある。連載開始から23年、いよいよ長い大詰めを迎えようとしている尾田栄一郎「ONE PIECE」既刊96巻を、この機会に1巻から読み直すのもいい◆味わうだけでなく、創る方にチャレンジできればもっと素晴らしい。ちょっとしたことでも、日々の思いを書いてみればそれが作品になる。気軽に本紙にご投稿いただければ幸いである。(里)