安倍首相がいつ緊急事態宣言を出すのか、新型コロナウイルスの報道の中で大きな焦点の一つとなっていたが、6日の大手新聞朝刊報道では感染拡大地域を対象に宣言に踏み切る意向を固めたようだ。緊急事態宣言については、国民の生命や健康に重大な被害を与える恐れがある、全国的かつ急速な蔓延で国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある――の2条件を満たせば、政府の諮問委員会の意見を踏まえた上で首相が宣言すると規定されている。感染が急増する東京をみると、確かに出すべき時期だろう。

 緊急事態と指定された都道府県では、知事が外出自粛やイベントの停止等を要請・指示でき、逆に食料品や医薬品などの業務継続を求めるという。外国のような強制力はないため、法的根拠を持つということ以外、今とあまり変わらないのが実情。海外のような都市封鎖とはならないといわれているので、パニックにならず冷静に受けめるべきだろう。そして宣言を受けてどう行動するか、結局は個人の判断やモラルに大きくゆだねられる。宣言が出ていない地域が安全だということでもない。まだ感染者数の少ない和歌山県民も今一度気を引き締めたい。

 志村けんさんの死去を一つのきっかけに新型ウイルスの怖さは多くの国民が理解し、できるだけ人に感染させないよう一人一人が心がけることの重要性も広く浸透してきている。宣言が出ていなくても、出来ることを実践することこそが本質だろう。宣言が出たから外出しない、まだ出ていないから外出してもいい、そんな議論や考えは不要。もはや緊急事態、国難と受け止め、何より感染を防ぐ行動をすぐさま取ることが、今国民に最も求められていることだ。(片)