日高川町美山地区の養鶏場2カ所で約7万2000羽の鶏の死骸が放置されている問題で県は17日、23日から行政代執行で死骸の片付け、処分を始めると発表した。同町3月議会の一般質問でも早期対応を求める声が上がる中、県議会で17日、関係する費用を含んだ補正予算案が可決され、本格的な観光シーズンに突入する前に作業へ着手する。

 2カ所の養鶏場を経営する有田養鶏農業協同組合(有田川町)は経営難に陥っており、処分作業にめどがつかない状態だった。美山地区の鶏舎は弥谷地区と猪谷地区(初湯川)の2カ所にあり、計7万2000羽の死骸が放置されているという。付近住民や町議からは悪臭や水質汚染、ハエの発生を心配する声が強まっており、県は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、死骸を処理。費用は同組合に請求する。

 死んだ7万2000羽の鶏は餌を与えられなかったため、昨年暮れごろから餓死しだしたとみられる。

 猪谷地区の鶏舎は夏場に多くのキャンプ客でにぎわう猪谷川水辺公園から近く、山裾の置き場に放置された鶏ふんは発酵熱による自然発火で火災発生が懸念されるだけでなく、雨で川に流れ出して水質に影響を及ぼす可能性も指摘されている。

 県によると、死骸の容器詰めは3、4週間を予定している。死骸は当初、美山地区2カ所で計5万羽とみられていたが、詳しく調査した結果、2万羽以上多かった。死骸と同様に放置されている鶏ふんについては堆肥として利用できる分もあり、「引き続き有田養鶏に改善の指導を行っていく」と話している。

写真=猪谷地区にある鶏舎