12日の日高川町議会3月定例会一般質問の中で、美山地区の養鶏場2カ所で5万羽の鶏の死骸と鶏ふんが放置され、悪臭や火災発生の問題が出ていることが明らかになった。2カ所の養鶏場を経営する有田養鶏農業協同組合(有田川町)は経営難に陥っており、処分作業にめどがつかない状態とみられる。1カ所は夏場に水辺公園がキャンプ客でにぎわう行楽地にも近く、早期対応、解決を求める声が上がっている。
有田養鶏の問題は小畑貞夫議員が質問。有田養鶏が経営破綻し、田辺市と日高川町の鶏舎合わせて10万羽の鶏が死んで鶏舎内に死骸が放置されているとしたうえで、「すでに臭いが周辺地域に流れている」「鶏ふんも山積みされて発酵が進み、加熱による発火も始まっている」と指摘。町内2カ所の鶏舎の状態や今後の行政の対応などを追及した。
久留米啓史町長によると、鶏舎は弥谷地区と猪谷地区(初湯川)の2カ所。弥谷地区では21棟のうち3棟で鶏の死骸と鶏ふんが放置され、1棟ではハエと、うじの発生が確認されている。ただ、窓のない密閉型の鶏舎のため、舎内では強い腐敗臭がするものの屋外にはほとんど影響がない。猪谷地区の19棟では16棟で死骸と鶏ふん、残り3棟は鶏ふんのみを確認。16棟でハエとうじが発生、横壁の一部が金網を張った窓の構造となっている鶏舎からは腐敗臭が漏れ出し、山裾の鶏ふん置き場では鶏ふんの発酵熱による自然発火も起こっている。
久留米町長は現在の対応について、日高広域消防中津出張所に監視活動を行ってもらっていることや、同本部からの防火指導に対して有田養鶏で鶏ふんを重機でならしたり発火すれば水で消火したりするなどの手だてが講じられていると説明。地元区から陳情を受けてのハエ発生防止策などは顧問弁護士に相談したが有田養鶏は存続しており、「勝手に消毒などができない状況」で、「町としては一日も早く状況が改善されるように県の畜産課や保健所などの関係課とともに、有田養鶏に強く改善を求めてきたが改善されていない。県では現状適用できうる法的措置による命令などを行っている」と死骸処分を含む抜本的な対策が進んでいない状況を明らかにした。今月10日に県が猪谷鶏舎で対応を協議したことも報告し、町も問題の終息に全力を尽くすことを強調した。
猪谷地区の鶏舎は夏場に多くのキャンプ客でにぎわう猪谷川水辺公園の上流に位置し、小畑議員は再質問で鶏ふんが雨で川に流れ出す可能性を指摘。水質調査や啓発看板設置を求めた。担当課は年に1回、町内十数カ所で行っている水質調査に同公園が入っているとし、1月の調査では環境面に問題はなかったが、今後も必要に応じて調査すると約束した。
県によると、日高川町2カ所の養鶏場で5万羽の鶏が死んだままになっている。餌を与えられなかったため、昨年暮れごろから餓死しだしたという。
写真=小畑議員の質問に答弁する久留米町長


