御坊市の選挙管理委員会(槙島敏一委員長)は、6月10日任期満了の市長選日程を5月17日告示、24日投開票と決めた。

 市長選に向けては現職の柏木征夫氏(79)=7期=が、いまのところ進退について明言していないが、続投するのではとの見方が強く、6日開会の議会定例会での進退表明が濃厚。28日の定例記者会見でも「私は議会ファースト。(一般)質問があれば答える」と述べている。

 一方、同市は2018年度決算で、財政の弾力性を表す経常収支比率が県内30市町村でワースト1位。財政状況の健全度を判断する健全化判断比率は、目安を大きく下回っているが、有権者からは「こんな状態で庁舎を建て替えて本当に大丈夫なのか」という不安の声も少なくない。

 経常収支比率は人件費や扶助費の経常的な経費に、地方税や地方交付税の経常的な収入がどの程度充当されているかを示し、比率が高いほど財政が硬直的で、自由に使えるお金が少ない。18年度決算で御坊市は107・7%。県内では有田、橋本、新宮、かつらぎの各市町が100%を上回っている。御坊市が100%を超えるのは3年連続。市によると、18年度については防災対策推進や教育施設充実の各事業実施による公債費(借入金返済)、少子高齢化による社会保障関連経費の増加が要因という。

 18年度決算の健全化判断比率では、借金の返済額(公債費)が収入に対してどの程度なのかを判断する「実質公債費率」(早期健全化基準25・0%)が11・9%、借金や職員退職金の将来支払わなければならない負担が収入に対してどの程度かを示す「将来負担比率」(同350・0%)が104・9%。県内でみると、実質公債比率は新宮市の15・7%を最高に10番目、将来負担比率は由良町の175・9%を最高に5番目の高さとなっている。

 御坊市民から不安の声が上がっている新庁舎建設の総事業費は56億円。同じように新庁舎建設事業を進めている田辺市の半額以下で、単純に比較はできないが、市長選で反対や対抗する候補者を望む声もある。