歌舞伎をはじめとする演劇、音楽コンサート、朗読や暗唱も含め舞台芸術が大好きなのは、その時その時の舞台がまさに一期一会、演者と観客が一緒になって創りあげる唯一無二の作品だからだ。◆先月、御坊市民文化会館で開かれたコロッケコンサート。「アコースティックコーナー」と題して懐メロをうたう場面があった。「(笑い抜きで)ちゃんと聴きたい方います?」とコロッケさんが客席に問いかけると、予想外なほど大きな拍手。「あ、そんなにいらっしゃる?」と驚いたようだったコロッケさんは「唯一、淡谷のり子さんにほめて頂いた曲です」と、「君恋し」を正統的にうたってくれた◆番組でフランク永井の物真似をして淡谷のり子さんに「どうしてふざけるの!」と怒られ、そこで「いや物真似で笑ってもらうのが私の仕事なんですよ」と説明するような野暮はせず、求められるままおふざけなしで歌を披露。「やればできるじゃない」とほめてもらったという◆それまで前半のパフォーマンスで、「これだけ幅広いプログラム、それぞれの特徴を捉えながら再現していくなんて、よほど声量と歌唱力がある人でなければできないことなんだろうな」と思っていたので、その声の魅力を正面から聴くことができたのは幸運だった◆そんなステージイベント等が当分味わえそうもない、困った非日常が続いている。本当はいい舞台を観ることもストレスを解消し、免疫力アップにつながるかもしれないのだが、そうも言っていられない状況なのが残念だ◆重症化の恐れのある人達が新型ウイルスに感染することのないよう細心の注意を払いつつ、万が一かかっても軽く済むよう免疫力を高めておく備えをしながら、一刻も早く収束に向かうことを祈るしかない。(里)


