御坊市薗のタクシー会社「御坊第一交通㈱」は、タクシーを利用する人が配車予約から決済までスマートフォンのアプリを使ってできるサービスを始めた。中国の配車アプリ大手の滴滴出行(ディディチューシン)とソフトバンクが出資する「DiDiモビリティジャパン㈱」(東京都)の協力。利用者が簡単にタクシーを呼べるようになっており、同社は「地元の人にも利用が広がれば」と期待を込める。

 DiDiはユーザー数が5・5億人を超える世界最大級の交通プラットフォーム。国内では2018年9月に大阪府でタクシー配車サービスの提供を開始し、和歌山で22都道府県目となる。

 利用者はスマートフォンにアプリをダウンロードし、アカウントを登録すれば、利用可能。アプリを起動して行き先や支払い方法、乗車地点を入力すると、人工知能(AI)技術で、タクシーの利用希望者がいる場所から最も近い位置にいるタクシーに連絡が入り、位置情報とともに3・5㌔以内の最も近い場所にいるタクシーに直接、配車の予約が届く。予約が完了するとタクシーの車種や色、ナンバーとともに到着予測時間の情報も確認可能。アプリ内には決済システムもあり、これを使えばキャッシュレス決済ができる。

 一方、タクシーには専用のタブレット端末を搭載。予約した人の位置情報やルートが表示される。御坊第一交通では御坊本社営業所の25台全てに端末を導入。今月15日のサービス開始以降、すでに一日1、2人の利用があり、担当者は「とても便利なので、観光客や地元の人に使ってもらえればうれしい」と期待を込めている。

 県内では御坊第一交通を含めて7社のタクシーが導入。全域でスマートフォンを使って簡単に各社のタクシーが呼べるようになっている。

写真=タクシー車内のタブレット端末で配車予約を受け付ける