印南町印南のJR印南駅に昨年6月から置かれている来訪者ノートは23日までの約7カ月間で、160件にも上る書き込みがある。駅舎内にある、全国的にもユニークなカエルのオブジェや自由に弾けるピアノなどを目当てに京阪神だけでなく、関東や海外からもやって来るほどの人気ぶり。ノートには駅と印南町の印象、旅の思い出などが思い思いにつづられている。

 駅舎は町が2017年度、JRから無償提供を受けてリノベーション。町のシンボルとなっている駅近くのかえる橋にちなみ、駅舎内ではカエルのリアルなオブジェ6体が来訪者を出迎える。町内保育園統合で使わなくなったピアノも設置され、コンサートも催されている。また、昨年暮れは駅舎にイルミネーションを点灯。今月1日からはオリジナル駅カードも発行するなど、何かと話題の多い駅となっている。

 来訪者ノートはピアノの上のカエルのオブジェの前に置かれており、最初の書き込みは昨年6月10日、「初昼デートで遊びに来た記念。海南市からピアノを弾きに来ました」とロマンティックな内容。以後、続々と書き込みがされており、近隣では御坊市、上富田、湯浅町、京阪神では奈良、大阪、兵庫、京都、中部では愛知、関東では東京、埼玉、千葉などから訪問しており、全国にファンがいることがうかがえる。

 書き込みは「ピアノ発表会前に練習に来ました」「カエルのオブジェがとってもリアル」「イルミネーション見にきました」「かえる橋渡りました」「ネットで見て来ました」などがあり、「印南という素敵な場所にたどりつけたことを誇りに思います」「印南に来るとほのぼのします」などと、印南町が気に入った様子。中には「失恋しました」と傷心旅行を思わせる内容や、4度目というリピーター、マレーシアの学生、英語の書き込みもある。地元の学生や印南出身者のコメントも多く、「春から東京の大学生。田舎が恋しくなりそう」などとふるさとを愛する気持ちがつづられている。カエルのオブジェを制作した宮崎県の造形作家、松下太紀さんも昨年10月19日、再び同駅を訪れたようで、ノートにカエルのイラストを描いている。

 駅従事員の太田通史(なおふみ)さん(73)は「ピアノが人気ですね。親子連れも多く来ています。駅カードも珍しいらしく、思った以上に出ています」と話している。

写真=カエルのオブジェの前に置かれた来訪者ノート