印南町、印南中学校3年生の「楽しく学ぶ防災おすそわけ講座」が21日、印南小学校3・4年生を対象に同小体育館で開かれ、児童、生徒合わせて91人が参加した。中学生が〝先生〟となってこれまで自分たちが学んだ防災学習の知識を、小学生に指導。チームごとに車椅子で津波避難の速さを競うなど、ゲーム形式の実践訓練もあり、楽しみながら危機意識を高めていた。

 同講座は中学生にとってはこれまでの防災学習の復習、小学生にとっては先輩との交流を深めながら防災を学ぶ機会にしようと開講。印南中の湯川季咲さん、叢蓮奈さん、湯川陽菜さんが、印南避難センターまで車椅子で避難した時の様子を写真を使って大型スクリーンで紹介し、「道がでこぼこして、坂道も急。車椅子で一人で避難するのは無理で、役場に話して改善してもらうようにしたいと思います」などと発表した。

 学校や地域が取り組む優れた防災教育を顕彰する「2019年度ぼうさい甲子園」で奨励賞を受賞した「太陽傘」の研究についても説明。傘の裏側にミラーフィルムを張り、反射した光の焦点の熱を集めて湯を沸かしたり、料理をしたりする仕組みで、「ある程度まで温度が上がりましたが、まだ改良が必要。小学生の皆さんも中学生になったらぜひ研究してください」と呼びかけた。また、自分たちで考案したお菓子を使った「マカロニグラタン」などのオリジナル防災食も紹介した。

 ゲーム形式の訓練「津波や! 逃げろ」では小学生が3人一組となり、ライフジャケットを身に着けるところから車椅子で障害物に見立てたマットの上を通り、ゴールするまでの時間を計測。車椅子を引っ張るためのロープの結び方やマットの段差を越えるコツなどについて、中学生からアドバイスを受けながら取り組んでいた。走る中学生を津波に見立てて小学生が逃げるというゲームもあり、合計得点で上位を表彰した。

 車椅子のゲームを体験した坂下幸輝君、笹井美咲さん、塩路嵩流君は、「最初はうまくいくか不安でしたが、マットの段差も越えられ、楽しくできました」「もしもの場合は車椅子の方の手助けができれば」などと話していた。

写真=中学生㊨の指導を受け車椅子で避難する小学生