日高川町の川辺西小学校(小川吉信校長)で教育活動の一環として行われる学級会活動の時間に、15歳以上に視聴制限されているR15指定のホラー映画を児童が視聴していたことが、24日までに分かった。学校では暴力的なシーンが登場する映画の教育現場での上映を「不適切だった」と認め、23日夜に保護者会を開催。保護者らに現場の監督不行き届きなどを謝罪のうえ、再発防止を誓った。

 上映されたのは、1986年に発表されたスティーブン・キングのホラー小説「IT―イット―」が原作のアメリカの大ヒットホラー映画「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」(2017年公開、上映時間135分)。不気味なピエロ、ペニーワイズに翻弄される人々を描き、「刺激の強い殺傷、出血、肉体損壊の描写がみられる」として、表現の自由を守り青少年の健全育成を目的に映画界が自主的に設立した第三者機関「映倫」から15歳以上に視聴を制限するR15指定を受けている。

 町教育委員会によると、映画(DVD)を視聴したのは4年生32人のうちの22人。児童たちが自ら行事を企画、運営する年数回の「お楽しみ会」の場だった。今月11日に全員で内容を話し合ったところ映画上映が多数を占め、その中で児童側からITを見たいと要望があった。映画は12日の1、2時間目(1人欠席)と、13日の1時間目に分けて4年生教室で視聴。ITを希望しなかった児童10人は大人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版最新作を楽しんだ。ITを視聴した児童たちは視聴中も視聴後も目立った変化がなく、心身の不調を訴えてはいないという。

 学校側は当初、R15指定の映画上映を把握していなかったが、19日に2人の保護者から「どのように映画上映を考えているのか」などと電話が入り、20代男性講師の担任に事実を確認。すぐに教委へ報告、湯川宗一教育長らと善後策を話し合い、保護者会開催を決めた。男性講師はR15指定を受けていると知らなかったとし、児童側からはCMや先月の地上波放送などの影響でITの視聴を希望する声が出たのではないかとみられている。

 保護者ら24人が出席した保護者会では小川校長が「不適切な映画を視聴させたことは全く誤った行為。校長として担任と連絡、連携を図れていなかったこと、指導、監督できていなかったことを深くお詫びします」と頭を下げ、経緯を説明。担任の男性講師も「心からお詫びします。今後、気を引き締めて学級づくりに努めます」と謝罪した。質疑では事実確認に関する数件の質問があった。

 「不適切上映」に対し、学校長には湯川教育長が再発防止へ指導を行い、男性講師には学校長が厳重注意した。湯川教育長は「今後、町内の4中学校9小学校の校長にも、現場の連携、連絡の強化、指導、監督の徹底などをあらためてお願いしていく」と話し、信頼回復を誓っている。