御坊市湯川町小松原の飲食店「旬菜kitchen一楓(いっぷう)」のオーナー小畑久仁子さんが、一般社団法人日本ソムリエ協会のソムリエ試験に合格した。近年の合格率が30%未満といわれる難関を見事突破。資格保有者は日高地方に数人しかおらず、「まだまだスタートラインに立ったばかり。もっとワインの魅力を広めたい」と話している。

 小畑さんは飲食店での勤務を経て、2007年11月に一楓をオープン。自分が飲むのも好きで、店でもワインを提供するなか、2、3年前、「渋いワインを持ってきて」という注文に応じたところ、後から「甘かったね」と言われ、ソムリエ資格を取得しようと思うきっかけになった。

 今年3月から、猛勉強を開始。午後11時の閉店後、毎日午前4時まで励んだ。試験は8月に基礎知識筆記の第1次、10月にテイスティングの第2次、11月にサービス実技の最終第3次。9日に合格通知が届き、27日に認定証とバッジが送られてくるという。

 店のワインは自ら酒屋で仕入れ、日ごとに変えて、常に20本以上を取りそろえる。気軽に楽しんでもらえるようグラスでも提供しており、合格に「めっちゃうれしいです。好きだからこそできたのですが、諦めず勉強した甲斐がありました」とにっこり。「何でもお尋ねください。この料理に合うワイン、このワインに合う料理というふうに、レパートリーも増やし、もっと多くの人に親しんでもらいたい。それが商売繁盛につながれば」と声を弾ませた。

写真=ワインボトルを手に小畑さん