印南町の真妻地区で、鮮やかに色づいた特産の千両の収穫がスタート。正月用の出荷に向け、栽培農家は刈り取りや選別作業が行われている。

 皆瀬川のJA紀州みなべいなみ花き部会千両部副部長森口詠士さん(65)の畑でも29日から刈り取りが始まり、妻の伊久子さん(61)と出荷準備に追われている。JA出荷は6日から17日までで、関西を中心に関東、中京エリアへ出荷される。

 「真妻の千両」は他県産に比べ、実と葉の色が濃く、茎が細いのが特徴で、「繊細でコントラストが美しい」と市場で高評価。今年は夏の暑さと乾燥の影響で、実の数が少ない房もあり、秋の朝晩の寒暖差も小さかったため色づきは遅めなものの、ここにきて順調に生育しているという。

 同部会では15人が約2㌶で栽培。8万4000本、1250万円を販売目標に掲げている。

 伊久子さんは「お正月の縁起もので、飾ると華やかです。水切りすれば、長持ちするのでおすすめです」と話していた。

写真=千両の刈り取り作業をする伊久子さん