ツイッターで大阪市の12歳の女の子を誘い出し、栃木の自宅に連れ去った35歳の男が未成年者誘拐の疑いで逮捕された。幸い女の子にけがはなかったが、家にはもう1人、15歳の女子中学生がいた。

 この事件が大きく報道されるなか、27日には埼玉の37歳の男が同じく誘拐容疑で再逮捕された。県内の女子中学生を誘拐、借家に住まわせた容疑で逮捕され、その後、兵庫の女子中学生も誘拐、同じ借家に住まわせていたことが分かった。

 4人の少女が無事でまずはひと安心だが、親は心配で眠れぬ日々を過ごしただろう。大阪の少女の母親は警察から確認してほしいことがあると呼び出され、署に着くまで何度も最悪の事態が頭をよぎったという。卑劣な犯人は絶対に許せない。

 日本ではかつて、北朝鮮という国家によって何人もの子どもや若者が路上で連れ去られた。41年前に拉致された蓮池薫さん(62)は、いまから17年前に帰国するまで24年間にわたり、北で自由のない生活を余儀なくされた。

 先の御坊市人権講演会では、拉致被害者の最も大きな被害は「夢と絆を奪われたことだ」と話されていた。人は自由があって夢を持つこともできるが、その夢を追う可能性を奪われ、家族との絆も断ち切られたという。

 日本でわが子の身を心配している親や兄弟に対し、自分は生きていると伝えることができない。親はわが子の生死も分からぬまま、ひたすら無事で帰ってくることを祈り続ける日々。あまりにつらく悲しすぎる。

 娘を拉致された横田滋さん(87)と妻の早紀江さん(83)は、そんな苦しみが42年以上も続いている。私たちは残された被害者が全員即時帰国できるまで、怒りの声を上げ続けねばならない。(静)