美浜町出身のシンガーソングライター宮井紀行が17日、御坊市民文化会館大ホールでライブを行い、満員の観客を前に約20曲を熱唱。デビューから20年間、ともに走り続けてきた地元ファンに感謝を込め、さらなる挑戦と飛躍を誓った。ラストの美浜町のイメージソング「僕の生まれた街へ」では、母校松洋中学校吹奏楽部の生徒たちと共演。笑いと涙と感動で胸いっぱいのステージとなった。

 宮井紀行は1998年、鹿児島の大学時代の友人とフォークデュオ「なまず」を結成し、01年、コロムビアレコードからメジャーデビュー。4年後の解散後は再び鹿児島に戻り、ソロとして再スタートを切り、毎年、全国ツアーを行っている。

 今回のライブは鹿児島以外では初の大ホール単独ライブで、幼なじみの田渕大吾さん、森口真澄さんらふるさとの支援者でつくる和歌山実行委員会が主催。約900の客席は地元日高地方ほか高校時代を過ごした和歌山市、鹿児島などから駆けつけたファンで埋め尽くされた。

 ステージは「青写真」で幕を開け、途中、吉本新喜劇風のミュージカル「ノリゴロウ王国物語」ではライブでは外せない「お母ちゃんネタ」も飛び出し、会場は大笑い。リオパラリンピックのNHKテーマソング最終選考まで残った「見えない勲章」は、高校生おんぱく部の日高高生ら7人の手話に合わせて熱唱した。

 MCではなまず時代から宮井紀行を支え続け、今回の地元ライブ成功を誰よりも望みながら、今年8月、急逝した西川卓也さんに感謝。涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、「ずっと僕の兄であり、父親のような存在だった」天国の“たくやん”への想いを述べた。

 本編ラストの「僕の生まれた街へ」では、現在、松洋中吹奏楽部を指導している中学時代の恩師岡本和広さん(60)の指揮で同部の20人の後輩たちと共演。演奏終了後、3年生の前部長宇戸美優さんから花束が贈られた。

写真=「ありがとうございまーす!」ステージで気合みなぎる宮井紀行