時は室町時代。常陸国の小栗城主満重は、勢力争いの末、毒を盛られて二目と見られない姿になり城を落ち延びていたところ、老僧が現れ「熊野三山に詣で祈願すれば治る」との諭しがあり、照手姫が引く箱車に乗せられ出発。道中、印南町印南の東光寺に立ち寄ったところ、霊験あらたかと評判の薬師如来が夢枕に立ち、「先の老僧は私だ。この上は熊野湯の峰にて湯治されよ」とお告げがあり、湯の峰で百日の湯治に専念し、全快したという。以後、寺は健康長寿を祈願する者の参拝が絶えぬところとなった(以上、印南町観光協会の案内看板より)。

 そんな東光寺ではかつて仏教青年会が中心となり東光寺さくら会をつくって歌や踊りのイベントを開催していた。娯楽のあまりない時代に大にぎわいで、笑顔と活気にあふれていたという。今回、令和元年の記念に、地元有志らが約50年ぶりにさくら会を復活させ、今月27日に境内で歌と踊りの発表会を開く。

「『あの頃はよかった』と当時を懐かしむだけで終わってはいけない。きょうという日が一番若く活気ある時間。まだまだ人生これから」との思いを込めて、40代から70代の実行委員会メンバーの思いは熱い。

 当初、イベントは今月12日に予定していたが、台風の影響で延期。当日は特設ステージを設置、約40人が出演する。本番に向けては、かつての歌や踊りのイベントの写真を持っている人も現れるなどで、地域住民のムードも盛り上がってきている。

 かの小栗判官も全快したという、健康長寿の霊験あらたかな東光寺。そんな場に集う人々が、年を取ってもますます健康で元気に活躍されることを願っている。(吉)