全国的な美術団体、独立美術協会(絹谷幸二代表)の第87回独立展で、洋画白玄会会員阪本聡さん(55)=御坊市藤田町吉田=の作品が最高賞の独立賞に輝いた。2009年の新人賞受賞から10年で、当初からの目標を実現。近年は上位の「個人賞」への入賞が続いていた。阪本さんは「念願がかなってうれしい。今後も精進していきます」と話している。独立展は16日から28日まで、東京都六本木の国立新美術館で開かれる。

 同協会は、1930年に川口軌外らによって設立された歴史ある美術団体。美術展には毎年、全国から約2000点が寄せられる。

 阪本さんはみはま支援学校教頭を務める傍ら、地元の洋画白玄会に所属して制作。独立展には1998年に初出品、入選を重ね、新人賞のあと2010年に佳作賞を受けて準会員に。その後、奨励賞、TJ賞(=7位)、中山賞(=2位)、鳥海賞(=5位)と上位入賞を続け、今回晴れのグランプリとなった。

 作品は「WORK19―6」「WORK19―7」の2点で、いずれも130号(194×162㌢)の大作。アクリル樹脂を使った抽象画で、十字型、直線などの切り込みが入っているのがポイント。直角と直線の延長線上に、もう一つの四角形をイメージした。「私たちは縦、横、奥行きと3次元の空間に住んでおり、そこに時間が加わるのが現実の世界。1枚の絵の中で、描かれている空間と重なるように存在する、もう一つの見えない空間を表現した。目に見える空間が同時に内包する別の空間を提示することで、『動き』を表したかった。切り込みを入れることで、めくってみればもう一つの空間に通じるような、遊び心も加えた」と話している。

 受賞については、「念願がかなって、本当にうれしい。一定の評価はいただけたということなので、その評価に恥じない活動をしていかなければと思っています」と意欲的に話している。

 独立展は東京での開催のあと各地で巡回展を開き、大阪展は11月19日から24日まで大阪市天王寺区の大阪市立美術館で開かれる。

写真=受賞作品の「WORK19―7」㊧と「WORK19―6」