印南町山口、特別養護老人ホームカルフール・ド・ルポ印南は、デイサービス利用者が敷地内の畑で無農薬野菜を栽培し、地元産品販売所などに出荷する独自の取り組みを行う。自分で作った野菜が売れる喜びを実感し、社会参加や生きがいづくりを促進。栽培は同町シルバー人材センターがボランティアで協力、3日にはホウレンソウなど第1弾の種まきを行う。
カルフールでは、昔農業に従事していたデイサービスの利用者が「もう一度野菜をつくってみたい」と要望したのをきっかけに5年前、敷地内の2カ所合わせて約50平方㍍のスペースに畑をつくり、ダイコン、キュウリ、サツマイモなど季節の野菜を栽培。収穫した野菜は自宅に持ち帰ったり、利用者らのクッキングクラブでの調理に活用したりしてきた。
利用者にとっては簡単な運動やリハビリになっていたが、今回、シルバー人材センターの協力を得て、「いきいき菜園クラブ」というサークルをつくり、本格的な無農薬栽培にチャレンジ。町内の産品販売所などに出荷する態勢を整えていく。全国的にも老人ホームの利用者が野菜や花を育てる「園芸療法」が知られているが、販売まで行っている例は少なく、モデルケースとして注目されそう。
第1弾の栽培はホウレンソウとブロッコリー。3日にはシルバー会員と一緒に畝立てや種まき、苗植えなどを予定。今後も週2回程度、間引き、草引き、水やりを行い、順調にいけば12月頃に初収穫を迎える。
カルフールの作業療法士佐々木昌平さん(33)は「利用者には畑作業を通じて社会参画していただき、地域住民との交流の場にもなれば」、デイサービス統括責任者の計雄多郎さん(50)も「だれかのために野菜をつくることでやりがいを持ってもらいたい」と期待している。
シルバー人材センターの田中統事務局長(66)は「会員の中には農家の人もおり、地域貢献の一環として協力していきたい」と話している。
写真=敷地内にある畑を確認する佐々木さん㊨と計さん

