殺人事件が後を絶たない。最近のニュースを振り返ってみると、埼玉県の小学4年生が父親に殺害され、住んでいたマンション向かいのメーターボックスに死体を遺棄されるという事件が起こった。東京のホテル客室では袋に入った女性の遺体が発見。殺人容疑で逮捕された私立大学4年の容疑者は調べに対し、「女性から頼まれて殺した」などという内容を供述しているという。他にも茨城県では家族4人が何者かに死傷されるという残虐な事件が発生。被害家族のうち夫婦2人は首などを切られて亡くなった▼殺人事件数の推移を調べてみると、こうした報道に反し、他殺による死亡者数は年々減少傾向にあるらしい。1955年は2000人を超えていたが、2013年には705人と半分以下に。14年は対前年で増加となったが、15年は314人、16年は290人、17年は288人、18年は272人と4年連続で過去最少を記録。このデータからすれば治安が年々向上していることになる▼とはいえ、全国的には連日のように殺人事件が発生し、新聞やテレビで報道されているのは事実。尊い命が失われ、治安が良くなっているという感覚を持つことができないのではないか。あまりの殺人事件の多さに、注意していなければ見落としてしまいそうな事件もある。「どの事件がいつ起こり、どうだったかというのを忘れてしまいそうになる」という声も聞く▼ニュースとは珍しい出来事や新しい情報のことだ。新聞記者はニュースを伝えるのが仕事だが、普段から頻繁に起こっていることはニュースとは言い難い。将来、殺人事件が起こっても記事にもならない時代が来るかもしれない。(雄)


