御坊市消防本部は12日、救急医療週間(8~14日)の職員研修として、医師立ち合いの下で救急の訓練を行った。大規模な交通事故を想定し、隊員たちが緊急度に応じて手当ての優先順位をつけるトリアージを実践。対応力の強化を図った。

 国道でトラックと軽乗用車がぶつかり、避けようとした原付も電信柱に衝突、転倒。大勢のけが人が出たと想定し、ひだか病院救急科医長の足川財啓氏が立ち合った。

 現場に到着した隊員たちは、素早く車の中や外に倒れているけが人を1カ所に運び、それぞれの重症度を判定。搬送する順位や手段、医療機関を決めていった。救急はじめ指揮、救助の各隊、隊員同士が連携。本番さながらの活動を展開した。

 その後、検討会を開催。足川氏は、さまざまなけがの状態や症例を示し、搬送先を判断するポイントを解説した。ドクターヘリやドクターカーを要請したとき、到着した医師に何をしてもらおうとしていたか質問し、あらためて医師の活用の仕方を確認しておくようアドバイス。「傷病者を1カ所に集めていたところがよかった」とし、坂口秀紀署長は「医師であり、また、外部の方からアドバイスを受けられ、とても有意義な訓練と検討会だった。反省点を改善しながら、今後も訓練を重ね、よりよい現場活動につなげていきたい」と話していた。

写真=けが人の状態をみる隊員