先日、印南町の瀧法寺と印定寺で地蔵盆の行事があり、それぞれ取材した。地蔵盆とは毎年8月23、24日に行われる、子供の無病息災を願った地蔵菩薩のお祭りのことで、お盆の時期に行われることからその名がついたという。
子どもたちが主役の行事で、当日にはきれいに飾られた地蔵の前にたくさんのお菓子やおもちゃなどをお供えし、集まってくる子どもたちに振る舞うところもあれば、盆踊りをしたり、競り市をしたり、奉納相撲を行ったりするところもある。同時に水子供養も行うが、亡くなった子の冥福を祈ることが、地蔵盆と何の関係があるのだろうと思っていたが、亡き子の霊を供養することには、いまを生きる子どもたちの健やかな健康を祈る意味もあるそうで、なるほどと思った。
夏の伝統行事ではあるが、近年高齢化や少子化で、地蔵盆の形態も変わってきているという。印定寺では昔から盆踊りを行ってきたが、年々参加者が減少してきたことを受けて、昨年から盆踊りを中止。代わりに本堂内で数珠繰りを行い、子どもから大人までが輪になって長さ10㍍ほどもある大数珠を回しながら、無病息災祈願や先祖の供養を行っている。最後には菓子まきもある。
いまでは地域の行事やスポーツイベントも多彩に行われているが、地蔵盆は昔からある地域コミュニティーの原点のような行事でもある。子どもから高齢者までが一堂に集まり、互いの顔が見える関係をつくることは、まちの活性化だけにとどまらず、防犯、防災にも役立つこと。今後もできれば、地蔵盆の形や内容が変わっても地域の力で伝統行事を守り、続けていってほしいと願う。(吉)


