今年4月、和歌山市住吉町の市立本町小学校跡地に開学した和歌山信愛大学教育学部で10日、来月、日高川町で地域連携フィールド学習を予定している子ども教育学科の事前学習が行われ、同町で体験・民泊等に取り組む地域団体「ゆめ倶楽部21」の山下泰三会長(63)が講師を務めた。

 山下会長は元町役場職員で、町村合併前の旧中津村職員時代に筏下りアドベンチャーなどの体験観光を企画。2002年2月には体験観光受け入れ協議会としてゆめ倶楽部21を設立し、都会から移り住んできた人たちとも積極的に手を組み、現在は小学校や中学校の体験を含む農家民泊を多く受け入れている。

 山下会長は「外国の子どもを受け入れる民泊も、言葉は通じなくても心は通じる。私たちは人こそが地域をつくるという信念をもって、手作りの体験メニューを提供しています。今後は農家民泊の受け入れを拡大し、一度に100人ぐらいを受け入れられるようにし、日高川町だけでなく日高地方全体にそのシステムを広げたい」と夢を語った。

 学生15人は今回、2泊3日で日高川町を訪問。中津・美山地区の民泊施設に宿泊し、教育に関する取り組みを中心に、川辺西小学校での授業や放課後子ども学習「子ども未来塾」の見学、湯川宗一教育長の講話、農業体験などを予定している。

 和歌山市の西村優志さん(18)は「日高川は行ったことがありませんが、山下さんのお話を聞いて、早く行きたくなりました。ダイコンの種まきなどが楽しみです」と話していた。

写真=学生にゆめ倶楽部の夢を語る山下会長