近畿4府県の代表チームが争った第64回全国高校軟式野球選手権近畿大会の決勝戦が6日、奈良県橿原市の佐藤薬品スタジアムで行われ、和歌山県代表の南部が天理(奈良)を2―0で下して優勝。5年ぶり3度目の全国大会(24日から兵庫県)出場切符を手にした。南部はエース宮本楓が再三のピンチを切り抜け完封。バックも失策ゼロの堅守で盛り立て、勝利を呼び込んだ。

▽決勝
南部
000000002 2
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天理
 

 昨年の近畿大会決勝で天理に1―2で惜敗しており、雪辱を果たした。

 南部は初回に2死二、三塁、4回には山根、坂内の連続安打で2死一、三塁、8回にも山本の右翼越え2塁打と犠打で1死三塁と絶好機をつくりながら、あと一本が出ず0行進。打線の援護がない中も、エース宮本はキレのあるストレートとカーブ、チェンジアップを駆使した投球術を披露。3回の2死満塁のピンチは四番を一飛、5回は1死三塁から2者を簡単に打ち取った。6、7、8回は三者凡退でリズムよく最終回の攻撃にいい流れをつくると、先頭の山根が中前打で出塁。敵失と暴投で2死二、三塁とすると、宮本矩の内野ゴロが敵失を誘い、2者が生還。ついに均衡を破った。2点のリードをもらった宮本は最終回も3人でピシャリと締めた。

 宮本、坂本のバッテーリーは昨年の近畿大会でもコンビを組んでおり、対する天理バッテリーも昨年と同じ。試合後は互いの健闘をたたえ合う姿もあった。

 山本真生主将は「準決勝、決勝とも、苦しい場面も笑顔で野球ができ、ベンチの雰囲気もよかった。優勝できて最高です」と笑顔をみせ、「全国制覇が目標ですが、一つずつ勝ち進めるよう足りないところを高めていきたい」と気を引き締めた。池田哲也監督は「バッテリーを中心に守備からしっかりとリズムを作れた。全国大会で頂点を取れる力を持っていると思うので、万全の態勢で臨みたい」と話した。全国大会は16チームがトーナメントで争う。

 南部のメンバーは次の皆さん。

 池田哲也(監督)、古川鈴、永井理瞳(以上マネジャー)、宮本楓基、坂本隆飛、磯本蓮樹、山根啓登、宮本矩琉、山本真生、貫尾壮汰、小山由基、岩本大輝、坂内佑磨、中川祥吾、前田雄史、新田紳一郎、小山潤成、森山颯大