高齢者による交通事故が全国的に増加、社会問題となるなか、運転免許証の自主返納を促進しようとみなべ町が2018年度に創設した支援事業を利用した町民が、1年間で73人となった。自主返納した高齢者にタクシー利用券や商品券を贈る事業で、迷っている人の返納を促した効果はあったとみられ、町では今年度も事業を継続している。

 高齢者の自主的な返納を促して交通事故防止につなげようと創設した。町内に住民登録し、自主返納した65歳以上を対象に、南部タクシー(コミュニティーバス、定期便、タクシー)で利用できる乗車券1万5000円分、みなべスタンプ協同組合加盟店で利用できる商品券5000円分がプレゼントされる。

 町では初年度、30人分の60万円を予算化したが、約2・5倍が制度を利用するなど好評で、補正予算で対応した。

 73人のほとんどは70代以上だった。制度を利用しない人もおり、自主返納者はさらに多いとみられている。町では「初年度なので73人が多いかどうかははっきりいえないが、迷っていた人がこの機会に返納したり、自分の運転について考えるいいきっかけになったと思う」とし、効果があったといえそうだ。

 今年度は4月以降、すでに14人が制度を利用している。希望する人は、公安委員会発行の運転免許取消通知書の写しか、運転経歴証明書の写しを添えて役場総務課に申請すればよい。問い合わせは同課℡0739―72―2051。