桜や梅などを枯らす害虫クビアカツヤカミキリの侵入を防ごうと、県うめ研究所やJA、みなべ町などでつくる紀州うめ研究協議会は27日、みなべ町内で現地調査を行った。外国から侵入した害虫で、幼虫が幹を食い荒らして枯らす。梅の産地を守ろうと、町内全域の20カ所で害虫が好む桜を1本ずつ確認。梅生産者にはチラシで啓発しており、産地全体で早期発見に取り組んでいく。

 うめ研究所、JA紀州、日高振興局、町うめ課、県林業試験場の職員が参加し、2班に分かれて海岸筋から山間部まで20カ所で桜の木を調査した。

 クビアカツヤカミキリは2012年ごろに愛知県で初めて確認され、現時点で和歌山県内で被害は出ていないが、大阪府や徳島県など隣接地域では被害の報告が出ている。成虫は3~4㌢で、名前の通り首付近が赤いのが特徴。桃、桜、梅を中心に果樹を好むとされる。繁殖力が強く、樹皮に大量の卵を産み付け、幼虫が幹を食い荒らして1本丸ごと枯らしてしまうという。蔓延すると手がつけられないため、早期発見、駆除が重要で、調査することにした。梅に関しては農家にチラシを配布しており、今回は梅よりも好むといわれる桜を調べた。

 島ノ瀬ダムでは100本以上を調べ、続いて高城中学校や高城小学校に植えられている桜を調査。幼虫が幹を食べたときに出すおがくず状の「フラス」がないか入念に調べ、サンプルを持ち帰るなどした。

 うめ研究所の江畑真美研究員は「産地に広がらないよう、調査して早期に見つけることが重要。成虫や、木の回りに特徴である大量のフラスが排出されているのを見かけたら、すぐに連絡してほしい」と協力を求め、産地全体での取り組みを呼びかけた。連絡はうめ研究所℡0739―74―3780、日高振興局℡0738―24―2926。

写真=高城地区で桜の木を調べるうめ研究所職員ら