先日、日高町と印南町でそれぞれ開かれた和歌山放送開局60周年記念事業の地域巡回防災教室を取材した。講師は和歌山大学災害科学教育研究センターの此松昌彦センター長で、それぞれの地域に応じた災害の事例などを紹介していた。
阪神・淡路大震災や東日本大震災を受け、近年、地震や津波に対する住民の危機意識は高まっているが、そんな中でも見落としがちとなる土砂災害についても警鐘。土砂災害と言えば大雨時に発生する危険性が高いが、地震の時にも地盤が揺すぶられて発生する可能性がある。もし大雨が降ったあとに地震が来ればその危険性は一層高まると思われ、日頃からの対策や心構えが重要である。
此松氏は地震後の避難についても「決してあきらめないでほしい」と強調していた。今後、南海トラフの巨大地震発生の可能性が高まっているが、次に来るのが南海トラフの巨大地震とは限らない。つまり、高齢者の中には「どうせ大きな地震が来たら助からないから、逃げたりしない」という人もいると指摘。しかし、もし次来る地震が南海トラフの巨大地震ほど大きなものではなかったらどうだろう。頑張ってちょっとでも高い場所に逃げていれば、津波から助かるかもしれない。南海トラフの巨大地震ではダメな場合でも、それより小さい規模の地震の津波なら助かるかもしれないということである。
言ってみればその時の最善を尽くせということ。指定の避難場所まで逃げるのがベターだが、例えば近所の高い建物に避難するだけでも津波被害に遭わずにすむかもしれない。さまざまな想像力を働かせて、もしもの場合に備えよう。(吉)


