シカなどの野生動物による食害で生産量が減少している日高町原谷の黒竹を復活させようと、地元で㈲金﨑竹材店を営む金﨑昭仁さん(60)は、7月から耕作放棄地に竹の苗を植えるなどの対策を始める。順調に進めば、4、5年で竹林に育つという。

 黒竹は伐採して乾燥させたあと、火であぶってまっすぐに伸ばして太さによって数本から数百本を束ねて出荷する。黒い落ち着きのある色合いで、主に庭の竹垣、家屋の内装などの建築材として使用されている。民芸品として利用されることもある。高知県にも産地はあるが、日高町が日本一を誇っている。

 金﨑さんによると、30年ほど前は竹林に黒竹が生い茂り、年間生産量は1万5000束を超えていたが、昨年は3000束と5分の1に減少。要因は近年、黒竹から出たタケノコなどをシカやイノシシが食い荒らす食害が増えているほか、竹を枯死させるテングス病の発生も生産量の低下に追い打ちをかけている。管理している面積(約60㌶)は以前からほとんど変わっていないものの、現状は黒竹がまばらに生えている状態。航空写真で見ても、竹が密集して生えていないため、土の部分が写っているという。

 出荷する農家の高齢化も拍車をかけている。黒竹を扱う事業者は35~40年前には6、7軒あったが、黒竹の生産の減少に伴って徐々に減っており、いまでは金﨑竹材店だけになった。

 今回取り組む対策は耕作放棄地を活用する。約2000平方㍍の土地をフェンスで囲い、100本の苗を植栽する。既存の竹林にも、地下にある根の勢いを強めるために施肥を行う。

 金﨑さんは「以前のような密集した竹林にしたい。地場産業を活性化させ、雇用につながれば」と話している。

写真=野生動物の食害で生産量が減少している黒竹