和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘に県指定有形民俗文化財「日高地域の地曳網漁用具および和船」の展示施設が完成し、21日、記念セレモニーが行われる。

 風土記の丘が所蔵する地曳網漁用具と和船は、日高町産湯地区を中心に収集され、2007年6月に県有形民俗文化財に指定された。和船は大型のため、これまで屋根のないところに展示してきたが、船体の老朽化が進んだため、昨年度から和船の大規模修理と収蔵施設の建設を進めていた。

 地曳網漁は、「アミブネ」と呼ばれる和船2艘が沖合から左右に分かれて大きな網で魚群を包囲し、浜辺から両端の網を曳いて魚を獲る漁法。かつて紀伊半島沿岸部では海岸地形を利用して、この地曳網漁が盛んに行われていた。

 記念セレモニーは午後1時から。施設の開場テープカットのあと、学芸員による展示解説、お祝いの餅まきも行われる。参加は申し込み不要。1時半からは専門家による民家ガイドツアーが行われる。

写真=完成した展示施設内の和船(紀伊風土記の丘提供)