御坊市薗、画廊喫茶「さぼーる」で、出口久仁子さん(67)=同市野口=の「ガッシュ展」が開かれている。5月18日まで。

 出口さんは元中学校教諭。洋画サークルえんじゅの指導者で、白玄会会員としても活動している。今回はガッシュ絵の具を使った11点を展示。鯉のぼりを描いた6点、ひまわりを描いた5点が並ぶ。

 数年前に渓流で釣りをしていて跳ねあがる魚に生命感を感じたことから、「鯉が池から空へ上がる」というストーリーを考え、空を泳ぐ鯉のぼりをテーマに取り組み始めた。しかし、色とりどりの鯉、明るい空や水面の色との取り合わせがどうしても派手になってしまう。かといって自然の色に忠実に描くと地味になりすぎる。その兼ね合いが難しく、会心の作ができるまでは何枚でも描き続けるという。

 今回の出展作で特に気に入っているのは、琵琶湖の風景の壮大さを表現した横長の一作。同じサイズのひまわりの絵と中央に並べている。ひまわりは、夏の盛りの頃の花はあまりにきれいすぎ、朽ちて黒ずんできた秋の姿に面白みを感じるという。

 「いつかひまわりだけで四季を表現する連作を描いてみたいですね」と笑顔。「お店のお客様には、コーヒーを飲みながら、気軽に絵を見ていただければありがたいです」と話している。

 営業時間は午前11時から午後5時ごろまで。定休日は日曜。祝日は原則営業するが休日の場合もある。問い合わせは同店℡0738―22―7261。

写真=お気に入りの絵の前で出口さん