今月は卒業、転勤、退社などが相次ぎ、別れのシーズンである。日高地方の小中学校などでも卒業が行われ、巣立っていく卒業生と学校に残る在校生らが別れを惜しんだ。「ついこの間、入学したのに、あっという間に卒業を迎えた」というのが保護者らの気持ちではなかろうか。入学した時のことを思い起こすと、体も心も大きく成長したことを実感し、感慨深い気持ちになるだろう。

 そして、来月の4月。出会いの月へとつながる。小中学校をはじめ高校や大学などで入学式が行われる。企業へ入社し、社会人として希望と夢を胸に抱いて新生活をスタートさせる人もいるだろう。3月の寂しさとは異なり、新鮮でエネルギーに溢れた月と言えるのではないだろうか。

 よく言われることだが、人は出会いと別れを繰り返しながら生きていく。それが顕著に表れるのがこの3月と4月だ。別れを告げた人もいれば、新しい出会いも待っている。そこには大きな環境の変化もある。辛さを乗り越え、新しい環境に順応していかなければならない。それは物事を考える視野も広げるし、適応力を養うことにもつながるだろう。言い換えれば、人を成長させる原動力にもなっているのかもしれない。

 筆者の末っ子の娘もこの春に高校を卒業し、もうすぐ18年間育った我が家を出て行くことになる。生まれた時からいままでの思い出が脳裏に浮かぶし、「これからはいつもそばにいないか」と思うと、寂しくて切ない気持ちが込み上げてくる。しかし、本当の別れではない。娘の成長を祈りながら毎日を精いっぱい生きていこう。残り時間が少なくなったいま、そう自分に言い聞かせながらまた一日が過ぎていく。(雄)