先日、由良町で北野大さんの講演会が開かれた。言わずと知れたビートたけしさんの兄で、北野家の訓(おし)えを語った。
大さんが普通にしゃべっている時はあまり感じなかったが、冗談を言う時には、たけしさんの物まねでもしているのかと思うほど、しゃべり口調が似ていた。わざと物まねしてウケを狙っているのかとも思ったが、そもそも兄弟だから似ていて当然。どちらかと言えば大さんが兄なのだから、たけしさんが大さんに似ていると言う方が正しいかもしれない。
そんな大さんは足立区に住んでおり、「弟が世界の北野と呼ばれているものだから、私は足立区の北野と言っている」と冗談めかして話していた。ちょっとした自虐ネタではあるが、それをうまく使って笑いを誘う。そしてあっけらかんと「私は弟の七光」と言う。確かにテレビ出演や講演活動はたけしさんの恩恵もあるだろうが、大さん自身、工学博士であり、分析化学のエキスパート。よく分からないが、分析化学や環境科学の分野で学会から功績表彰も受けるなど、相当頭がよく、立派な人物である。
にもかかわらず、偉そうにするわけでもなく、自慢するわけでもなく、どちらかと言えば少しおどけたような態度を取る。コマネチをしたり、変な衣装を着たりするたけしさんにも通じるものがある。これぞまさに北野家の訓えの一つ、「自慢、高慢、ばかがする」。つまり、大さんもたけしさんも自分をさげすんだり、ばかっぽいことをしたりするが、当然ばかではない。本当のばかは、自分の身分や地位を傘にいばる人。それを理解したうえで常に謙虚でいることが、人生勝ち組になる秘訣なのだろう。(吉)


