日高高校(池田尚弘校長)と紀央館高校(大西弘之校長)で1日、平成最後の卒業式が行われ、計421人が高校生活3年間の思い出を胸に新たな一歩を踏み出した。

 日高は普通科151人、総合科学が72人の計223人。池田校長は改元について「皆さんが生まれ、育ってきた平成が終わろうとしています。この30年は災害に目を向けなければいけない年でありましたが、先日の天皇在位30周年式典でのお言葉にもあったように、近現代では初めて日本で戦争がない時代でした」と紹介。「ただ世界に目を向ければ紛争は続いています。これから始まる新しい時代では、自然災害で苦しむ人、戦争や貧困、差別を受ける人などを一人でも減らさなければなりません。そのために皆さんの力が必要です。英知と情熱で新時代をともに築いていきましょう」とエールを送った。2年生総合科学科の山口瑛己(てるき)君が送辞、卒業生の森本倖多君が答辞を述べた。日高定時制も同日行い13人、日高中津分校も同日30人が巣立った。

 紀央館は、普通科157人、工業技術科41人、計198人。大西校長は式辞で部活や資格取得などの活躍をたたえ、「トム・ソーヤーの冒険」等で知られるアメリカの作家トウェーンの言葉「20年後、あなたはやったことよりやらなかったことに失望するでしょう。今この瞬間から冒険をして、夢を見て、そのことから発見をするのです」を紹介。「大人は自分の若い頃と比べて新たな変化を恐れ、『大変な時代を迎える』など大げさに言いがちだが、どのような時代がこようとも若者は現実をしっかり受け止め、生きている。未来に不安を抱くよりも、挑戦しなかったことへの後悔を怖れてほしい。私は本年度に赴任してきて、皆さんから多くのことを学んだ。人生に夢と希望を抱き、気概を持って成長し続けてください」とエールを送った。在校生を代表して生徒会長の濵口希君(2年)が送辞、卒業生を代表して普通科の西侑樹君が答辞を述べた。

写真=クラスを代表して証書を受け取る卒業生(日高)