華々しいスポーツの世界でも、選手一人一人はそれぞれに苦労や葛藤を乗り越えて大舞台に立っている。選手の数だけドラマがあるのだとあらためて感じさせられた。先日、オリンピック・パラリンピックフラッグツアーの一環で、元バレーボール日本代表で2012ロンドン五輪銅メダリストの井上香織さんが名田中学校で講演した。社会人8年目で日本代表に選ばれた遅咲きながら、2010年世界バレーではブロック決定本数でトップに輝き、32年ぶり銅メダル獲得に貢献した名プレーヤーだ。
所属チームでも日本一に輝くなど「何でこんなにうまくいくのかな」と思うぐらい絶頂期にあった中、突然、右肩の亜脱臼を発症。手術と治療で半年後に復帰したが、再び発症。もうオリンピックには間に合わないかもしれない、引退も思い浮かんだが、諦めずに努力したことがロンドン五輪でのメダル獲得につながった。「夢をかなえた人がすごいのではない。夢をかなえるために努力した人がすごい」という言葉が印象に残った。夢や目標に向かって努力する過程が最も重要、すべてのことに当てはまることだ。
これから卒業シーズン。地元を離れ、夢に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている選手がたくさんいる。女子バレーでは県外の強豪高校に進学する中学生、女子サッカーでは大阪のクラブチームに入団する小学生がいる。筆者の友人の子どもは、柔道の高みを目指して中学から東京に拠点を移す。やってやろうという志、諦めない強い心があればどんな困難も乗り越えられることを井上さんは教えてくれた。近い将来、次のステージで活躍する選手たちの記事を書くことを楽しみにしたい。(片)


